青山元不動 白雲自去来
青山(せいざん)もと不動
白雲(はくうん)おのずから去来す 〔景徳伝灯録〕
ー 「酷暑」 到来す。如何が回避せんー
中国の禅僧、洞山禅師に1人の修行僧が尋ねました。
「寒暑到来。如何が回避せん」 (暑さや寒さをどう逃れたら良いですか)
洞山は、「無寒暑の所へ行け」と答えた上で、
「寒い時は凍えきる、暑い時はウンウンと大汗をかく。それが無寒暑」
と答えたそうです。
年々暑さが増していると感じるのは、気のせいでしょうか。
暑さも寒さもない所があるなら行ってみたい、と考えるもの当然です。
気温のことだけではなく、
辛いこと、苦手なこと、プレッシャーから逃げたいと思うのは皆同じ。
逃げられないことは、自分が一番分っているけれど…。
今まさに、「青山元不動 白雲自去来」。
山は青くそびえ、そこに雲がかかっては流れていく。
見たまま、そのままの言葉です。
しかし、そういう当然のことこそ忘れがち。
現代の便利な生活に慣れてしまった私達。
自分の考えだけが正しいと信じて、都合悪しとみれば誰かを攻撃してしまう私達。
大騒ぎしても悪化するだけの事態には耐えるしかないのに、
耐え方を忘れてしまったのではないでしょうか?
暑さ寒さも彼岸まで、とか、喉元過ぐれば熱さ忘るる、ではないけれども、
逃げる場所もないならば、どんと構えて自然の流れに身をまかせ、
あの白雲が影を作ってくれるまで待ってみる。
それもひとつの方法です。