「倫理と人間」(教養科目/講義)について、
担当の宇佐美之規准教授から紹介していただきます。
日本は大変豊かとなりましたが、同時に西洋思想化の波に呑まれて100年以上となります。その過程で日本的な道徳心が失われているのではないかと思われることが多々あるのではないでしょうか。その失われた道徳心とは何かということについても取り扱います。
また、西洋の哲学者の倫理思想も取り上げつつ、現代の日本社会に当てはめて考察します。
倫理で扱う分野は広範囲にわたります。善とは何か、正しい判断とは何か、人として守るべきこととは何かや、企業においても企業倫理という言葉があり、The pen is mightier than the sword.の言葉にあるように報道に関する倫理、その他、個人や組織において使われる用語でもあります。この倫理について、日本的な道徳心、さらに、宗教性・仏教哲学を踏まえて、倫理観について学びます。
また、時事問題に関すること、日常生活におけるスタイルや考え方など、昭和から平成、そして令和となり、その過程で首を傾げたくなるような事件やニュースを耳にすることが多くなったのではないでしょうか、なぜ、どうして、というような問題など、その時々にテーマを設定し、さまざまな諸問題について、その矛盾にどう向き合うのか、その解消は可能なのか、1人1人がよく考え、建設的な議論を行います。
難しいイメージの倫理ですので、ちょっと質問してみましょう。
倫理ってひとことで言うと、何なんですか??
「エチケット」です。ルールです。
よく一緒に出てくる道徳とは、どう違うんですか??
倫理はもともと西洋のものですから、「良いか悪いか」。
本来、日本人が大切にしてきたのは道徳で、日本的な情緒があります。
「お天道様が見ているから」悪いことはしない。
太陽が照っていたら悪いことをしてはいけないというのは、何の理由にもならないんですが、それが道徳です。
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人と人との関わりの中で、倫理や道徳心はなくてはならないものだと思います。
そして、思いやりの心があってこそのルールだという気がしました。
「倫理と人間」、この続きは授業で!