世間では、新型コロナウィルスの影響で、日本社会も
未曾有の混乱が起こっていますね
短大も、世間の動向によっては例年どおり新学期を迎えることができるか、
誰にもわからない状態ですが、例年通り準備はしなくてはいけません。
そんなバタバタする中で、ある教員部屋に一人の在学生が訪ねてきました。
彼は新学期から休学して、明日正眼寺に入門するので、
「袈裟文庫」(けさぶんこ)の作り方を確認してほしいと。
袈裟文庫とは、禅宗の雲水さんが、行脚をする際、
数少ない出家僧侶の所有物の一つである、おケサを入れる箱です。
中には、得度の証である安名も入っていて、
行脚の威儀では、胸の前に置かれる、最も重要な持ち物です。
現在ではこのような威儀は、遊行する僧侶も少なくなり、
道場入門や道場を去る際の形式的なものになってきていますが、
それでも道場入門の際には、袈裟文庫を作らなければいけません。
そのケサ文庫の止め紐の縛り方が、初めての人にとっては、
複雑に見えるらしく、その方法を確認してほしいと。
とはいえ、こちらも久しぶりに袈裟文庫を整えるので、
そんなに慣れているものでもありません。
しかしせっかく訪ねてきた学生の手前上、面倒くさいと放り投げるのも格好悪い。
慣れない手つきで、
自分は、初掛搭の時は師僧である父親に整えてもらい、
そして道場で初めて暇を頂いた時は、前の晩先輩の雲水さんが手伝ってくれて
一人できちんと準備できるようになったのは、何回目くらいだったかなぁ、
と恥ずかしい思い出話をしながら、整えてあげました。
でも本人は、明日からの緊張感いっぱいで、
こちらの話を聞いているのか、聞いていないのかわかりませんでした
体に気をつけてがんばってください